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サントリーウエルネス株式会社

商品購入と健康行動にポイント付与、顧客のウエルネス支援をスピーディに実現

DX推進部エンジニアリンググループ

ポイント管理

サントリーグループ企業であるサントリーウエルネス株式会社は、サントリーの基礎研究所をルーツに、健康食品事業を担う企業としてスタートしました。ゴマの健康成分を含む「セサミンEX」をはじめ、研究成果より得られた独自の機能性素材を用いた健康食品を開発してきました。またウイスキーづくりをきっかけに研究を積んだ、酵母を用いた美容商品もラインナップしています。

サントリーウエルネスは2022年、会員向けに無料の健康行動アプリ「Comado(コマド)」をリリース。また2023年9月には、商品購入者であれば無料で利用できるポイントサービスを含んだ、お客様のウエルネスを支えるために生まれた会員向けサービスとして「サントリーウエルネスクラブ」をリリースしました。

「サントリーウエルネスクラブ」は、サントリーウエルネスの商品購入や健康行動アプリ「Comado」利用の健康行動に対してポイントが付与される、会員制のポイントサービスです。このサービス開発の際、自社内製ではなく「prismatix」のAPIを採用し実装を進められました。本プロジェクトを進めてきたサントリーウエルネス株式会社DX推進部エンジニアリンググループの山田様に、「prismatix」導入の決め手から今後の展望まで、詳しくお話を伺いました。


導入の目的
●メインとなるサービス開発のスピード感を損なわず、ポイント機能を早期実現したい
●リリース後も会員数の規模に合わせ、柔軟な機能拡張が出来るようにしたい
導入内容
●ポイント機能の開発に『prismatix』のAPIを採用
●フェーズ1ではポイントを貯める機能を実装し、フェーズ2ではポイント利用に対応
導入効果
●スピード感を持ったスケジュールで開発、実装することが出来た
●Webだけでなくコンタクトセンター等の現場でも、機能が軽快に動作すると高評価

スピード感を持った開発が求められた「サントリーウエルネスクラブ」

サントリーウエルネスは2022年11月、商品購入者の「ウエルネスな体験」を実現できるサービスとして、健康行動を気軽に習慣化する為の無料アプリ「Comado」をリリースしました。多数のインストラクターによるオンラインフィットネスの提供や、「朝起きて水を1杯」「サプリを飲む」 等、生活の中でのちょっとした健康行動を習慣化するサポート機能、また趣味・教養等の様々なジャンルの記事や雑誌、動画配信 等が提供される、多機能なアプリです。

この「Comado」のリリース時には実装が見送られた機能として、利用者に対してのポイント機能がありました。システムやアプリ等の多くを内製しているサントリーウエルネスですが、ポイント機能についてはSaaS等の利用を想定していたそうです。「Comado」の企画段階でプリズマティクスにお声かけ頂き、API連携サービス「prismatix」について知っていただく機会がありましたが、この時はポイント機能実装そのものが見送られました。

その後2022年秋頃から、商品購入や健康行動でポイントが貯まり、様々な特典を得ることが出来る「サントリーウエルネスクラブ」の実現を目標に定めた同社。このプロジェクトは経営上とても重要な戦略として位置付けられた為、早期リリースが望まれていました。開発側としては、ポイント機能については内製せず、外部サービスを利用して早期実現するということで方針は決まりました。

「お客さまに早くポイントサービスをご利用頂く、という大きな目標を達成するためにはどうしたらいいのか。早く実装するためにどうしたらいいのかという課題意識の上で、プロジェクトの最初から事業サイドだけでなく開発サイドのメンバーも入り、システム上の制約等について言語化することを求められました」(山田様)

API仕様のシンプルさと拡張性が『prismatix』採用の決め手

「サントリーウエルネスクラブ」のポイント機能を実装する上で、内製ではなく外部サービス利用を決めた後は、ベンダーの選定を行いました。「Comado」開発時点でご縁のあった『prismatix』にも、改めてお声かけ頂きました。

「複数のサービス比較をする中で『prismatix』の優位性と感じた一つ目の理由は、APIの仕様がわかりやすかったところです。ポイント機能はトランザクション管理が非常に複雑なのですが、『prismatix』はとてもシンプルな仕様だと感じました。私は前職でポイントサービスを内製開発する会社にいたのでポイント機能実装の難しさについては知見があったのですが、リリースまで時間の無い中で要件定義するに当たっては、そのシンプルさがあったからこそ決断しやすかったという場面もありました」(山田様)

また『prismatix』採用のもう一つのメリットとして、ユーザー増に対する拡張性が柔軟であることが挙がりました。「サントリーウエルネスクラブ」運用に際して目安となる会員数は200万人を超えており、将来的にこの数がどのくらい増えていくのか、どこまで事業拡大するのかは、なかなか読み切ることが出来ません。スケールの判断が難しい中で、『prismatix』であれば運用面が柔軟に対応出来るだろうと分かったことが、採用の決め手となりました。

本プロジェクトチームは2月から「Comado」を含めた様々なシステムを含めたかたちで要件定義を開始し、『prismatix』を利用した上でどのように実装していくのか、どのような機能を提供するのかを詰めていきました。

「内製ではなく外部サービスを利用するということは、そのサービスの利用制約の上で考えるということをしなければいけないということです。これはもちろんネガティブな側面もありますが、良いところでもあると思っているんです。内製の場合は自由に実装出来る反面、希望が出たとき『そんなことぐらい、やってよ』といった部署間の綱引きが出てきたりしますが、外部SaaS利用の場合は“現時点での限界”が明確なので、その中でどう要件定義していくのかということをシンプルに考えることが出来ます。時間が無い中での要件定義でしたが、仕様がスムーズに明確になったと感じています」(山田様)

レスポンスの早さが高評価、フェーズ2リリースに向け開発は続く

2月から仕様検討が始まった「サントリーウエルネスクラブ」は、5月から実装、7月以降はテストを行い、9月には順調にサービスインを果たします。プロジェクト開始時期から、事業側と開発が共に検討を進めてきたこともあり、制約事項等の齟齬も無くリリースまで進むことが出来たと山田様は語ります。

「協力会社も含めると、このプロジェクトには100人規模の人数が関わっています。現場からの問い合わせが来た時、プリズマティクスさんからスピーディに、そして正確な内容でご回答が頂けたことは、私から現場に回答を戻す早さに直結しますので、非常に助かりましたし、周囲でも評価が高かったですね。リリース後は、メインの顧客窓口であるコンタクトセンターから、レスポンスが非常に早く、ストレスなく業務が出来ているとの声を貰っています」(山田様)

サントリーウエルネス社の提供する健康食品やサプリメントは、個人からの通販購入がメインとなっており、その窓口となっているのはコンタクトセンターです。これは単なる“コールセンター”ではありません。電話を受けたエージェント(※いわゆるオペレーターのこと)達は、お客様の求める商品を受けて発送手配をするというだけに留まらず、お客様の抱えている悩みをヒアリングし商品を提案する役割も担っており、お客様からも高い評価を得ています。

「リリース前に性能試験はやっていましたが、本番環境では思った程の性能が出なかった……というのはよくあるので、正直なところ少し心配していました。でも実際にリリースをしてみたところ、期待した以上のレスポンスで、凄く早かった。関連するシステム担当の方々からの高評価はもちろん、データベースへの登録作業をするエージェントからも、応答時間が少なくストレスなく業務が回せていると聞いています」(山田様)

フェーズ1となる2023年9月のリリースでは、ポイント機能の“貯める”というところにフォーカスした機能の実装でした。現在はフェーズ2として2024年春までのリリースを目指し、貯めたポイントを商品購入の際に使えるよう、機能を提供していきたいとしています。実装面では、ここでも引き続き『prismatix』のAPIをご利用頂いて開発が進められています。

「フェーズ1とフェーズ2の要件定義は並行して行ってきました。別々にやると後々不整合が出て来て作り直しも発生し得ると思いますが、要件定義をひとつの工程で実施出来たのでその心配もありません。これが最初から出来たのも、プリズマティクスさんの仕様における“制約”が明確だったこと、そして手厚いサポートがあったからです。ボリューム感ある要件定義だったと思いますが、スムーズに推進できましたし、これがプロジェクト成功要因の一つだと思っています」(山田様)

人生100年時代のウエルネス実現に向けた「健康行動」へのポイント付与

サントリーウエルネスクラブでは、商品購入に加えて2022年にリリースしたアプリ「Comado」の健康行動でもポイントが貯まります。「健康行動」とは、例えば「1日に4000歩を歩く」といったことになります。サントリーウエルネスクラブの目的は、お客様のウエルネスな体験を提供することであり、単なる“ポイ活”とは一線を画すサービス内容となっています。

この「Comado」のダウンロード数は、リリースからわずか数か月で目標値を大きく超える数に達しました。 これまでComadoのダウンロードを見送っていた既存顧客が、「ポイントも貯まるなら」とアプリを利用し健康行動を積み重ねる様子が、数として現れてきました。

「プリズマティクスさんはポイント機能だけでなく、色々なAPIを提供されていますよね。今回はポイント機能を開発しましたが、サントリーウエルネスクラブではまだまだこれから、色々やっていきたいと考えていることがあるんです。機能について改めて教えて頂くと、今後も活用させていただくシーンが増えていくんじゃないかと思っています」(山田様)

プリズマティクスは今後も技術開発やサービス提供を通して、人生100年時代のウエルネス実現に尽力する「サントリーウエルネスクラブ」実現を目指して参ります。

DX推進部          山田 拓人様

会社情報
会社名:サントリーウエルネス株式会社
本社所在地:東京都港区台場二丁目3番3号
設立:2009年4月
主な事業: 健康食品・サプリメント・ビューティーケア商品の研究、開発、販売