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2026.07.07 お役立ち情報 #DX

病院・薬局のDX推進ガイド|LINEミニアプリ活用事例(旭化成ファーマ・トモズ)から紐解く業務効率化の鍵

医療・ヘルスケア業界では、患者の利便性向上と業務効率化を両立するDXが急務となっています。なかでも注目されているのが「LINEミニアプリ」を活用した医療DXです。
本記事では、旭化成ファーマの服薬支援プログラムや、トモズの処方箋送信サービスといった医療DX導入事例をもとに、病院・薬局がペーパーレス化や顧客接点強化を成功させるための具体的なポイントを解説します。

 

1. 医療・ヘルスケア業界におけるDXの現状とLINEミニアプリの親和性

近年、医療・ヘルスケア業界では、超高齢化社会の進行と慢性的な人手不足を背景に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が経営上の重要課題となっています。とくに病院・薬局の現場では、「診察券のデジタル化」「処方箋のオンライン受付」といったニーズが急速に高まっており、患者の利便性向上と現場スタッフの業務効率化を両立できる仕組みが求められています。

医療DXを推進するうえで多くの担当者が直面するのが、「患者にデジタルツールをいかにスムーズに使ってもらうか」という課題です。特に高齢の患者が多い医療業界では、専用アプリのダウンロードやログイン操作が大きな心理的ハードルとなり、せっかく開発したシステムが利用されないというリスクがあります。

なぜ専用アプリではなく「LINEミニアプリ」なのか?

このような医療DXの課題を解決する手段として、近年急速に普及しているのが「LINEミニアプリ」です。LINEミニアプリは、国内最大級のコミュニケーションプラットフォームであるLINE上で動作する機能であり、専用アプリと比較して以下のような優位性を持ちます。

ダウンロード不要で利用ハードルが極めて低い

LINEミニアプリ最大の特徴は、新たなアプリのインストールが不要な点です。トモズの事例でも、別アプリをダウンロードしてもらう手間が利用のハードルになると懸念されました。月間1億人(2026年1月末時点)が利用する使い慣れたLINEを入り口にすることで、年齢を問わず多くの患者がストレスなくサービスを利用できます。

プッシュ通知による継続的な接点づくり

LINEミニアプリは、LINEのメッセージ機能と連携することで、効果的なプッシュ通知を活用できます。専用アプリと違い、患者が能動的にアプリを開かなくても、薬局や医療機関からのお知らせや服薬リマインドなどを自然な形で届けられるため、継続的な顧客接点の構築に大きく貢献します。

個人情報登録の手間を最小化

LINEミニアプリでは、LINEアカウントの情報を活用できるため、改めて住所や氏名などの個人情報を登録する必要がありません。これは、医療分野で特に重視される「個人情報提供への抵抗感」を軽減する大きなメリットです。

2. 旭化成ファーマにおける服薬支援プログラムのペーパーレス化の壁

医療DXの代表的な成功事例として、まず紹介したいのが旭化成ファーマ株式会社の取り組みです。同社は旭化成グループのヘルスケア領域を担う企業として、主に医療用医薬品の製造販売を手掛けています。同社が展開していた「アドヒアランスプログラム」(患者が治療薬を正しく継続服用するための支援プログラム)は、長年、紙媒体を中心に運用されており、いくつかの根深い課題を抱えていました。

紙媒体での管理コストとデータ活用の難しさ

旭化成ファーマでは、骨粗鬆症などの自覚症状が乏しい疾患の治療継続をサポートするため、患者向けに冊子を提供してきました。しかし、紙ベースの運用には以下のような限界がありました。

  • タイムリーな服薬状況の把握が困難:紙の手帳では、患者の実際の服薬状況をリアルタイムに確認することができず、サポートの質に大きな限界があった
  • データ活用ができない:取得した情報を集計・分析することが難しく、サービス改善のサイクルを回しにくい
  • コミュニケーションが一方通行:施設からの情報提供にとどまり、患者からのフィードバックを得る手段が限定的だった

実際、旭化成ファーマの担当者も「これまでハガキで申し込み、冊子を郵送する形をとっていたものの、この方法は一方通行であり、実際に患者が服薬を継続できているのかがわからないという課題があった」と振り返っています。継続的な服薬が必要な治療であるほど、こうした課題は治療効果に直結する重大な問題となります。

高齢患者に対するデジタル移行のハードル

旭化成ファーマが直面した最大の課題は、「ターゲットとなる患者層が主に高齢者である」という点でした。高齢患者の場合、一般的なスマホアプリで採用されている以下のステップが非常に高い障壁となります。

一般的なアプリのステップ 高齢患者にとっての障壁
アプリストアでの検索・インストール ストアの操作自体に不慣れ
会員登録(ID・パスワード設定) パスワード管理が困難
個人情報の入力 プライバシーへの抵抗感
ログイン・ログアウトの操作 都度の操作に戸惑い
競争優位領域 メガネ業界特有の顧客体験・眼鏡知識を必要とする領域

調査で判明した利用のハードルは、紙媒体で必須だった「個人情報の提供への抵抗感」でした。どんなに優れたシステムでも、この初期ハードルを越えられなければ使われません。特にペルソナである高齢患者にとって、デジタルへの移行は単なる便利さの追求ではなく、「使えるか使えないか」を分ける死活問題なのです。

 

3. 旭化成ファーマがLINEを活用して実現した「無理のない」服薬支援

こうした課題に対し、旭化成ファーマが選択したのが「LINEミニアプリの活用」でした。同社は2024年に開発を本格スタートし、わずか数ヶ月で実用的なサービスを世に送り出しています。

直感的でシンプルなUI/UXの徹底

旭化成ファーマがLINEミニアプリ開発のパートナーとして選定したクラスメソッドは、最初の提案段階から「高齢者向けのUI/UXイメージ」を具体的に提示しました。同社の担当者は、選定の決め手について高齢者向けのUI/UXを理解して設計できること、アクセス分析の支援が可能なことなどを要件として挙げていましたと語っています。
実際の開発では、根本的な部分から細部に至るまでUI/UXのこだわりが反映されました。具体的には以下のような工夫がなされています。

  • 一問一答形式の採用:高齢者ならば一問一答形式がよい、などの設計思想からアドバイスがあり、高齢者を意識したUIを実現
  • 親しみのあるビジュアルデザイン:親しみやすさを意識したLINEアイコンを制作、カラーも既存の患者様向け公式Webサイトをベースにメインカラー・サブカラーを決めてデザイン
  • 既存ブランドとの統一感:既存の患者向けWebサイトと色合いを揃えることで、ブランド体験の一貫性も担保

「ターゲットが何ができないか」を起点に、機能を引き算で設計したことが、高齢者にも受け入れられるアプリを生み出す鍵となりました。

LINE通知を活用した服薬継続率の向上

旭化成ファーマのLINEミニアプリで特に重要なのが、LINEの通知機能を活用した「忘れない」仕組みです。患者が能動的にアプリを開かなくても、LINEのトーク画面に届く通知から自然に治療プログラムに参加できる設計になっています。

リリース3ヶ月で登録数500〜600名と目標を突破し、医療現場からも高く評価されています。さらに、紙媒体では不可能だった詳細な離脱データ分析を実現し、継続的な改善サイクルを回しています。

4. 株式会社トモズが薬局DXで目指した待ち時間と感染リスクの削減

続いて紹介するのは、医療DXの先駆け的事例ともいえる株式会社トモズの取り組みです。トモズは1993年創業の調剤併設型ドラッグストアで、2021年11月現在、首都圏を中心に約220店舗を展開しています。同社が2021年5月にリリースしたLINEミニアプリ「どこでも処方せん送信」は、薬局DXのモデルケースとして注目を集めています。

薬局内での待機と二次感染への懸念

トモズが処方箋送信サービスの開発に着手した背景には、コロナ禍で顕在化した以下のような薬局運営上の課題がありました。

長時間の待ち時間がもたらすストレス:処方箋を持参してから調剤完了までの待機時間は、患者にとって大きなストレス要因となる
密閉空間における感染リスク:狭い薬局内で多くの患者が滞在することによる、二次感染のリスク
店内オペレーションの非効率:来店してから処方箋を受け付けるため、調剤業務のピークが集中しやすい

これらは、コロナ禍特有の課題というだけでなく、薬局運営における恒常的な構造課題でもあります。患者の利便性向上と店舗オペレーションの効率化、そして感染症対策という3つの要素を同時に解決する施策として、トモズは「処方箋のスマホ送信」に目を付けました。

5. トモズの「どこでも処方せん送信」が幅広い世代に受け入れられた理由

旭化成ファーマと並んで、医療業界のLINEミニアプリ導入事例として高く評価されているのが、トモズの「どこでも処方せん送信」です。リリースから日々利用者が増加し続けるこのサービスが、なぜ世代を超えて支持されているのか、その理由を解説します。

初期登録不要ですぐに使える手軽さ

トモズの「どこでも処方せん送信」は、2021年5月に導入され、LINEで友だち追加するだけで、即座に処方箋の写真を送信できる仕組みです。具体的な利用フローは、以下のように極めてシンプルです。

1.店頭やネイティブアプリのリンクからQRコードを読み込む
2.LINEミニアプリを起動
3.処方箋を撮影して送信

登録などの手順は無く、QRコードを読み込むことで起動。簡単な操作だけで完結するようにしましたと担当者が語る通り、利用開始のハードルは限りなく低く設計されています。店頭でのQRコード設置に留まらず、トモズ公式アプリやLINE公式アカウントにも導線となるリンクを配置し、あらゆる顧客接点からスムーズにアクセスできるようにこだわった点も、結果的に幅広いユーザー獲得につながりました。

幅広い年齢層が迷わず使えるシンプルなUI

トモズが開発において特に意識したのは、「機能の絞り込み」と「直感的な操作性」でした。様々なアプリを研究する中で、調剤に必須の機能は厳選し、不要な要素は徹底的に削ぎ落とす。このシンプルな設計思想が、結果として全世代に受け入れられるUI(ユーザーインターフェース)を生み出しました。

その成果は、数字にも明確に表れています。

指標内容 実績・効果
初期KPI(1日300人の利用) わずか2ヶ月程度でスピード達成
2021年11月時点の状況 当初目標の倍以上の利用者数を記録
アンケート回答数 開始から約1日で1万人から返答を獲得
60代以上の利用率 1年以内に処方箋を出した年配層の約18%が利用

 

 

6. まとめ:全年齢に優しいデジタル化。直感的な操作でファンを育てる「fannaly」

旭化成ファーマとトモズの事例に共通しているのは、「患者の手間を最小限にし、心理的ハードルを下げること」がDX成功の鍵であるという点です。両社とも、技術導入そのものを目的とせず、患者の利便性向上を起点にサービスを設計したことで、目標を上回る成果を実現しました。

アプリ不要・直感的なUIがデジタル移行の鍵

医療・ヘルスケアの現場でDXを推進する際、最大の敵は「使ってもらえないこと」です。どれほど高機能なアプリを開発しても、患者がインストールしてくれなければ、すべての投資が無駄になります。

LINEミニアプリは、新しくアプリをインストールさせるのではなく、使い慣れたLINEを入り口にすることで、高齢者でも抵抗なくサービスを利用できる手段を提供します。さらに、機能を絞り込んだシンプルなUI/UXと組み合わせることで、ペーパーレス化と顧客接点の強化を同時に実現することが可能です。

誰もが使いやすい会員プログラムを「fannaly」で実現

「自社でもLINEミニアプリを活用したDXに取り組みたい」「ペーパーレス化や顧客接点の強化を検討している」――そうお考えの医療・ヘルスケア企業の担当者には、LINEミニアプリ開発プラットフォーム「fannaly(ファナリー)」の活用がおすすめです。

患者・顧客一人ひとりに「使いやすい」と感じてもらえるサービスを通じて、ファン化と業務効率化の両立を目指す企業にとって、fannalyは強力な選択肢となるはずです。

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